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  2022年10月:金沢
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長町武家屋敷跡21世紀美術館石浦神社・兼六園金沢城魚半

【10月21日(金)晴】21世紀美術館

木倉町通りを抜けて百万石通りを香林坊の信号で右に折れると、直ぐに金沢市役所の前に出る。

金沢市役所。

金沢市役所の東並びが金沢21世紀美術館だ。

金沢21世紀美術館。

開館するまでまだ時間があるので美術作品が展示されている美術館の周囲を一回り。

◆ドロップチェア/SANAA
SANAAは金沢21世紀美術館を設計したグループ。ドロップというから雫からイメージされたのだろうか。

ドロップチェア。

ドロップチェア。

◆アリーナのためのクランクフェルト No. 3/フロリアン・クラール
美術館の周囲に12個のチューバ形をした作品が散らばっている。地中を通る管が二個ずつペアになっており伝声管の役割を果たしている。作品タイトルの意味は「音のフィールド」。フロリアン・クラールは、作家活動の初期から音が持つ可能性を反映させた作品制作に興味を抱き続けており、本作品はそのひとつの展開といえる。

クランクフェルト No. 3。

◆球体のパビリオン「まる」/妹島和世+西沢立衛/SANAA
2014年の開館十周年を記念して設置された。「まる」は鏡面仕上げのステンレス製の半球 がいくつも集まり、一つの「まる」になるような形 をしており、鏡面が周囲の風景をやわらかく映し出している。

球体のパビリオン「まる」。

◆カラー・アクティヴィティ・ハウス/オラファー・エリアソン。
色の三原色(シアン、マゼンタ、イエロー)のガラス壁が一点を中心に渦巻き状のパビリオンを形成している。見る場所や人の動きによって光の領域が混じり合い、変化する色を通して人と風景に偶然の出会いをもたらしている。

カラー・アクティヴィティ・ハウス。

作品の内側から。

◆ラッピング/LAR(フェルナンド・ロメロ)
子どもが内部に入って遊ぶこともできるパビリオン。内部から外部に向かって六つの突起が様々な方向へと押し出されたかのような複雑なかたちをしている。そのうち三つの突起の先端が地面と接し、全体を支えながら入り口として機能している。

ラッピング。

周囲を一回りしたので館内に入る。

美術館外周に沿った回廊。

イヴ・クラインの特別展「時を越えるイヴ・クラインの想像力」開催中(2023年3月5日まで)。イヴ・クラインの作品と彼から影響を受けた作家たちの作品が展示されている。

イヴ・クラインの展示サイン。

◆スイミング・プール 2004/レアンドロ・エルリッヒ
「光庭(中庭)」の一つに設置されている常設作品。

光庭の「スイミング・プール」。

プールの縁に立って見下ろすと、底まで水で満たされているように見える。実際は透明なガラスの上に深さ約10センチほどの水が張られているだけ。ガラスの下は水色の空間になっている。水の下に入って鑑賞することもできる。
プールを見下ろして水の中に人を見つけたときの、非日常的な映像の驚きは大きい。

水の下に人影を見た時の驚きは大きい。

◆青い雨 1957/2018/イヴ・クライン
◆ブルー・ピグメント 1957/2022/イヴ・クライン
上から吊るされた「青い雨」と、床に敷き詰められた「ブルー・ピグメント」。イヴ・クラインの青といえばこの色だ。

「青い雨」と「ブルー・ピグメント」。

◆緑の橋 2004/パトリック・ブラン
ガラスの廊下をまたぐようにつくられている。わずか14センチの厚さの壁の両面に、四季を通じた多様な植物が配置されている。限定的な環境のもとでも植物は順応していくという、植物学者ブランの理論を作品そのもので示している。

奥の植栽が「緑の橋」。

◆息づかい 2022/キムスージャ
「光庭」のガラス窓を回折格子フィルムで覆ったインスタレーション。非物質的な材料である光と空間の関係を作品にしている。

「息づかい」。

見る角度を変えると見え方が変わる「息づかい」。

◆作品(水)1955/2022/元永定正
透明なビニールチューブに入れられた鮮やかな色をした液体が天井から吊り下げられている。

「作品(水)」。

◆青 111 2022/ハルーン・ミルザ
青いLEDライト、音、水の波紋で構成されるインスタレーション。スピーカーから発される音は111ヘルツで振動し、LEDの光も111ヘルツで点滅する。ハルーン・ミルザは先史時代に北欧で儀礼空間として建てられたと考えらえる巨石建造物が、111ヘルツの周波数で共振する構造を持ち、その周波数が人間の脳機能に影響を与えるという、考古学の調査を参照している。現代の儀礼空間の創出を試みている。

「青 111」。

「イヴ・クラインの特別展」は素晴らしかったが、金沢21世紀美術館に来た本来の目的は「世界を変えた書物」展を見るためだった。

「世界を変えた書物」展示会場入り口のディスプレイ。

展示はいずれも金沢工業大学図書館の稀覯書コレクション「工学の曙文庫」からの出展。

入り口を入ると「知の壁」と題された書架が並ぶ。

上の写真の裏側も書架。

書架に並んだほんの一部。

広い展示会場「知の森」には時代ごと、テーマごとに、エウクレイデス『原論』、ニコラウス・コペルニクス『天球回転論』、ガリレオ・ガリレイ『星界の報告』、アイザック・ニュートン『自然哲学の数学的原理』などキーワードになる本が並んでいる。

「知の森」。

「世界を変えた書物」展の特別展「手稿の中の宇宙 レオナルド・ダヴィンチを旅する」が開かれている地下の会場へ。

地階会場入り口のディスプレイ。

十五世紀半ば、フィレンツェに生まれたレオナルド・ダ・ヴィンチは画家としてその名を知られているが、彼も「世界とは何か」という根源的な問いに駆り立てられる。
そしえて、現代であれば音楽、建築、幾何学、光学、解剖学、流体力学、航空工学と分類されるような、多彩な領域へと関心を広げてゆく。

その詳細な手がかりとなるのが各地に散らばる手稿類。金沢工業大学図書館が所蔵する『パリ手稿』『アトランティコ手稿』のレプリカを用いて、世界を変える問いはどのように生まれたのかをインスタレーションとレプリカの展示によって検証している。

アトランティコ手稿からの展示。

弩(いしゆみ)の設計図のように見える。

思考の系図のディスプレイ。

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