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  2006年9月: Ka8Bのレストア

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【9月30日】組み上げ準備

そろそろレストアも大詰めを迎えているはず。作業の進み具合を気にしながら関宿滑空場に向かった。
滑空場に到着した10時過ぎには学生達は既に大先輩の佐藤さん、森さん達の指導の元最後の仕上げ作業を始めていた。
この日は読売新聞東京本社 柏支局から記者が取材に見える予定だ。

格納庫の片隅に据えられた作業台とエアコンプレッサー。

木製の計器盤に新しい計器類がはめ込まれた。

水平尾翼を取り付けてエレベーター・リンケージの可動状況をチェック。

読売新聞社記者の取材を受ける。

エアチューブを固定するワイヤーの締め方を見守る森さん。

機首下部に装着するノーズ・スキッドに補強ステンレス板を取付ける学生と伊藤さん。

組み立て後の機体の重心を設計通りにするために天秤計りで主翼、水平尾翼、機体をそれぞれ単体で計量する。昔ながらの天秤計りは構造がシンプルなために誤差が出にくい。佐藤さんはこの天秤計りの使い方から学生達に指導していた。きれいに仕上がっている主翼を傷つけないようお互いに声を掛け合いながら慎重に秤に載せる。

主翼を慎重に天秤計りに載せる。

左右の主翼で重心位置が異なっている理由を佐藤さんが学生達に詳しく説明していた。私には理解できない話しだったが学生達は熱心に聞いていた。

秤に架かっている左翼の位置は確かに右翼とは異なる。

水平尾翼を計量する。

機体の姿勢を制御する操縦桿をプッシュ・プル・ロッドを介してエルロンとエレベーターに接続する。ラダー・ペダルはワイヤーを介してラダーに繋げる。エルロン、エレベーター、ラダーはそれぞれニュートラル位置を割り出し、さらに操縦桿、ラダー・ペダルとともにそれぞれの可動範囲を調整する必要がある。根気のいる作業だ。

ターン・バックルで入念に可動範囲の調整を行う。

機首の両側に速度計、高度計、昇降計に反映させるための大気圧力を測定する静圧孔が付く。ピカピカに磨き立てられたブロンズの静圧孔はKa8Bの小さな鼻孔のようにも見える。

機首の両側に取り付けた静圧孔にエアチューブを接続する。

二手に別れて最後の総仕上げ。

この日は空からの訪問者もあった。最初は11時を過ぎたころ佐藤さんが空をあおいで見つけた。春日部方向から江戸川をこえて『グォン・グォン』とゆっくり回るプロペラ音を響かせながら飛行船がやってきた。携帯電話キャリアのプロモーションだった。

関宿滑空場の上空に現れた飛行船。

もう一つが4時頃飛来したモーターパラグライダー(MPG)。どこから飛んできたのか江戸川の上空をゆったりと流れていった。

何時の間に何処から飛んできたのかゆったりと浮かぶモーターパラグライダー。

すべてが組み上がるのを期待して出かけて来たが最後まで作業を見届けることはできなかった。
組み立て後の重心チェックや、操縦席の操縦桿やレバー類の作動確認など重要な作業が残っているはずなのだが…。


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