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  2011年8月:ハノイ
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ハノイ大教会ホアンキエム湖・玉山祠旧市街タンロン城址●タンロン城址全景

【8月6日(土)】ホアンキエム湖・玉山祠

レタイトー(Le Thai To)通りに出ると目の前にホアンキエム湖(Ho Hoan Kiem/還剣の意)が広がる。地元の人達はこの湖をグオム湖(Ho Guom/剣湖の意)と呼ぶことが多いようだ。
この湖には亀にまつわる伝説が残っている。それは1428年に黎朝の始祖レロイ(レタイトー)がこの湖に棲む亀から授かった宝剣で明軍を撃退して、ベトナムを中国支配から解放したというものだ。

ホアンキエム湖。

その後、レロイが亀に剣を返した(ホアンキエム湖の名前の由来になった)場所と伝わる湖の南の端に小さな祠のような「亀の塔」が建てられ、今もそこに浮かんでいる。

亀の塔。

ホアンキエム湖に沿ってレタイトー通りを北上。湖の北を回って対岸ディンティエンホアン(Dinh Tien Hoang)通りに向かう。
湖の北には橋(棲旭橋)が架かったゴックソン島(Hon Dao Ngok Son)が浮いている。

棲旭橋が架かったゴックソン島。

ホアンキエム湖の東側、ディンティエンホアン通りに回ると、ゴックソン島の向かい側に大きなガジュマルの木が枝を広げている。

細い木が何本も絡んで太く見えるのは多分ガジュマルだろう。

この木の背後に記念碑があるようだ。
白い記念碑はフランスと戦ったインドシナ戦争(1946~1954)における戦没者を記念するものだった。右側に建っているのは2008年1月に設置さた「タンロン ハノイ 1000年」式典までのカウントダウン時計。現在は風景やオーケストラの演奏が流れている。

インドシナ戦争戦没者記念碑。

記念碑の前で記念撮影をしていた旅行者が、天秤を担いだ果物売りの小母さんから無理矢理その天秤を担がされていた。記念写真を撮れと言うことらしい。見ているとその後でしきりに果物を買えと薦めている。
なるほど商売道具を借りて記念写真を撮った後は確かに断りにくくなるだろうが、彼らはしっかり断っていた。

この後、天秤の果物を買えと勧められていた。

戦没者記念碑の向かい側の湖の畔に建つ土産物店は、その佇まいに趣がある。古い建物を利用しているものだろう。

ホアンキエム湖の畔に建つ土産物店。

土産物店の並びに "Thang long Ha Nai 1000" と書かれた書籍の形をしたモニュメントが建っている。
昨年(2010年)10月1日から10日までの期間で、ハノイ建都1000年を記念した「タンロン ハノイ 1000年」展がホアンキエム湖周辺をメイン会場として大規模に開催されたようだ。モニュメントはこの記念祭の記念碑だ。タンロンは旧ハノイのことで漢字では「昇竜」と書かれる。ハノイ(Ha Nai)は河の内側という意味で、漢字では「河内」と書かれる。

「タンロン ハノイ 1000年」記念碑。

ゴックソン島にはゴックソン寺(玉山祠/Den Ngoc Son)がある。
入り口の門に書かれた赤い文字「禄(豊かさ)」と「福(幸福)」はベトナムの著名な儒教学者グエン・ヴァン・ズーによるもの。

門の赤い福と禄の字。

入場料10,000VND(約40円)。

ゴックソン寺入場券。

『ゴックソン寺は儒教と道教、それに13世紀に元の侵攻を撃退した英雄チャン・フン・ダオ(Tran Hung Dao)を祀っており、その創建は太古の昔に遡る。1865年に今日見ることができる形に拡充された。
寺内のThap But (Pen Tower)、Dai Nghien (Ink-slab)、The Huc Bridge (Welcoming Sunshine Bridge/棲旭橋)、Dac Nguyet Pavilion (Moon Contemplation Pavilion/得月樓) 、Dinh Tran Ba (Pavilion against Waves)はそれぞれ重要な意味を持っている。』と門の前に立てられている案内板に書かれていた。一説によると創建は十三世紀の陳朝にまで遡るそうだ。

門を入ると二つ目の門を飾る虎と眼が合う。龍は子牛のような顔をしている。

龍虎が飾られた二番目の門。

虎の顔が何とも可愛い。猫でもこんなに可愛い顔をしていないだろう。龍の鱗は陶器の破片を嵌め込んだものだった。

ひょうきんな虎と陶器の鱗をまとった牛のような龍。

入り口を入って直ぐに出会ったThangさん、奥さんのTrangさんと息子さんHoangくん。お子さんを連れて散歩に来たという。
Thangさん、Trangさんは旅行会社で働いているそうで、『ハノイ滞在中に何か困ったことがあったら遠慮無く連絡してください。』と言ってくれたが、ハノイ滞在中にその機会はやってこなかった。

Thangさん、Trangさん、Hoangくん。

赤く塗られた棲旭橋を渡り三つ目の門「得月樓」をくぐる。

竜宮城の入り口のような得月樓。

得月樓の奥は正殿ではなく土産物屋に転用されている建物だった。

得月樓を入るとそこは土産物店だった。

土産物店の右手を回って奥に進む。島の周囲に植えられたガジュマルが気根をぶら下げて視界を遮っている。

ガジュマルで湖が見渡せない。

ガジュマルの小径をぐるりと回って島の南側に出ると正殿で、正面に据えられた香炉からは地元の参拝者達が捧げる線香の青い煙が絶えない。

正殿正面。

正殿正面の祭壇。

正面祭壇の右横から中に入る。

正殿内の祭壇。

祭壇横に飾られている鎧を着けた馬は何だろう。説明書きを探したが見つからなかった。勝手な想像だが軍神とも言われたチャン・フン・ダオと関係があるのかもしれない。

軍神チャン・フン・ダオの馬?

正殿左側の部屋にはガラスケースに入った大きな亀の剥製が置かれている。

亀の剥製。

剥製の側に掛けてある説明にはこんなことが書いてあった。

『グオム湖の亀達は15世紀にレロイ王が宝剣を返したHo Luc Thuy(ラクタイ湖)の守り神である亀の伝説の由来になっている。その後、湖の名前はHo Hoan Kiem(ホアンキエム湖)あるいは単にHo Guom(グオム湖)となった。過去500年以上にわたって、神聖な剣が湖の底のどこか深くに隠されているものと世間の人達は信じている。湖面に顔を出しているグオム湖の亀達がしばしば多くのハノイ人達によって目撃されている。
グオム湖の亀の標本は1968年に造られたもので、体長2.1 m、幅1.2 m、重量が約250 kgある。』

湖の畔から見るよりも玉山祠の中は広かった。

持参したガイドブック「地球の歩き方 ベトナム '09~'10」がベトナムの寺社の呼び方を説明しているので転載する。

  • Chua(チュア)
    仏教の寺。漢字では「寺」と書く。
  • Den(デン)
    歴史上の実在した人物を神格化して祀った社殿。漢字では「祠」と書く。
  • Mieu(ミュウ)
    歴史上の実在した人物の霊を祀った社殿。漢字では「廟」と書く。
  • Dien(ディエン)
    神々を祀った社殿。漢字では「殿」と書く。
  • Dinh(ディン)
    庭などに建てられた休息用の建物。漢字では「亭」と書く。
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