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  2011年5月:撫順
5月5日

瀋陽→撫順西露天砿地図

【5月5日(木)】撫順 西露天砿

大きな交差点を見落とすことなく右折。
南陽路に入り道なりにゆるい上り坂を往く。大きなカーブを曲がる辺りは既に西露天砿に近いはず。

煉瓦塀の向こうが西露天砿らしい。

南陽路を南側に渡って赤煉瓦の塀が残る荒れ地に入る。赤煉瓦の塀の中には未だ人が住んでいるようだ。

荒れ地に残る赤煉瓦の塀。

荒れ地のへりに出ると視線を遮るものが何も無くなった。西露天砿だ。あまりにも唐突に未体験のスケールに出くわして、ただただ絶句。
鉄道レール(撫順炭鉱線)の外れから向こう側の山肌までが深い穴になっている。

突然の西露天砿。

このスケールを写真で表現することは無理。
カメラを構える前にあきらる気持ちの方が早かった。パノラマ写真にトライしたが遠方が霞んでしまい絵にならず。

西露天砿の東端。

西露天砿は撫順南駅から南に1.5km程の所にある。
西東西6.6㎞、南北2㎞、深さ400mに達する露天掘り炭鉱で、最深部は海抜マイナス327m、中国で最も海抜が低い場所になるそうだ。
この炭鉱は日露戦争後に満州鉄道がロシアから経営権を引き継ぎ、その手によって大規模な開発が進められた。当時から重要な資源の供給地だったが、その後の中国の経済と工業の発展に貢献したアジア最大の露天掘り炭鉱である。

しばらくアジア最大の穴を眺めてから南陽路に戻り中央大街を北上、新しい大きな病院の前に出た。撫順砿務局總医院だ。

撫順砿務局總医院

せっかく通りかかったので病院の中に入ってみた。正門守衛室の裏に白衣姿の大理石像が建っていたが何処の誰なのか何の説明もない。近くにいた人に訊いてみたが誰だか知らないという。この病院にゆかりのある医者だと思うのがだ誰なんだろう。

この代理石像は誰?

中央大街から西十路を辿って西八路まで戻り露天商が並んでいる解放三街に入ってみた。
何処で走らせるのか排気量50ccくらいのモトクロッサーもどきが置いてある。売り物ではなさそうだ。「もどき」の小型とはいえ中国でモトクロッサーを目にするのは初めてだ。

中国で初めて目にしたモトクロッサー。

せっかく足を運んできた解放三街だったが取り立てて面白そうなものを売っている露天商はなかった。

解放三街の露天商。

撫順南駅前に行ってみると古い駅舎の奧で新しい駅舎の建設工事が進められている。駅舎に掲げられている文字は「撫順」になっている。この場所はGoogle Mapでは「撫順南站」になっている。「撫順駅」はGoogle Mapだとこの駅舎から500メートルほど東によった所にあるのだが、どういうことなのだろう?

「撫順」と掲げた撫順南駅。中に入ることはできなかった。

新しい駅は完成が近いようだ。
盤錦でも新しい駅の工事が進められていたが、地方都市を新幹線で結ぶために中国各地で鉄道の改修工事が進められている。

新しい撫順駅舎。

撫順の街を歩いていて目につくのが雷鋒という名前とそのポートレート。下の看板は「国家電網」のスローガン『雷鋒の人と為りに倣って企業も雷鋒精神を強く持とう』みたいなことを謳っている看板だが、ここに出てくる「雷鋒」っていうのは誰なんだろう。

雷鋒の名が三回も謳われている国家電網の看板。

撫順南駅前まで来てしまった。今日も終始、我が足頼りの市内移動でそろそろ腹が減ってきた。

撫順南駅前の撫順百貨大楼。

撫順百貨大楼の裏手の小路に回って美味そうな店を物色。驢馬に引かせた残飯集めの小父さんに出会った。レストランを回って集めた残飯は豚の餌にするそうだ。

残飯集めの小父さんと恥ずかしがり屋の驢馬。

さらにレストランを物色しながら歩いていると洋装店に入る三人連れが目についた。于くんの結婚式に出席していた星川くんと彼の婚約者じゃないか。

星川くんと婚約者(名前を聞き損なったままだ)もこちらに気づいて、余りの奇遇ブリに大騒ぎ。一緒にいたのは彼女のお母さんだった。5月中旬に挙式するという星川くん達、彼女の実家、撫順に帰ってきて、お母さんと一緒に結婚準備の買い物に来たそうだ。(星川くんは普通話(中国標準語)が堪能、というよりも彼の母語らしい。)

盤錦の結婚式会場で二人と別れてから、こちらがずっと一人旅を続けていることにもっとビックリしていた。これから遅い昼食を済ませて瀋陽までバスで帰る予定だと告げると、一人でバスでバスに乗れるかとずいぶん心配してくれた。撫順に来るときも一人でバスに乗ってきたので大丈夫ですよ、ご心配ありがとう、東京に帰ったら于くん夫妻と一緒にみんなで会いましょう、と約束をして洋装店の前で別れた。

星川くんと婚約者、そのお母さん。

温かい麺を探したが見つからず「老字号釜山冷麺店」の前で店員から声が掛かった。「ハロー、ナイストシーユー」。これしかできないと言いながら入店を勧める。冷麺店じゃないか、温かい麺はあるのかと訊くとあるという。歩き疲れたことでもあり、この店に入ることにした。

「ハロー、ナイストシーユー」の店。

ビール5元(約65円)と肉糸麺6元(約78円)、土豆糸(ジャガイモの細切り酢唐辛子漬け)6元(約78円)。合計17元(約221円)。出てきた肉糸麺を見て『アレレレ…』と思いながら箸をつけたら、見た目ほど酷くなかった。土豆糸はピリ辛でビールのつまみにピッタリ。

まあまあの肉糸麺とビールのつまみなった土豆糸。

ひとしきり店員達に下手くそな中国語をからかわれている内に、お腹も落ち着き足の疲れもとれた。

カメラを向けると逃げ出してしまう店員達。

また来いと店員達が入り口まで出てきて見送ってくれた。
撫順南駅前にあるバスターミナルからは瀋陽行きのバスがひっきりなしに出ている。

撫順南駅前のバスターミナル。

バスに乗り込んで運転手の背もたれを見ると「雷鋒」のポスターが貼ってある。

Wikipediaで撫順の項を読んでいたら雷鋒に関す売る記事があったので以下に引用する。

『 1962年、中国人民解放軍の模範兵士とされる雷鋒が撫順の輸送部隊に配属されていた頃、倒れたトラックを立て直す作業を指揮していた時に、支える棒が頭を直撃して殉職した。死後、彼は毛沢東により模範的な人物と称賛され、中国全土で『雷鋒に学べ』という大規模なプロパガンダが繰り広げられた。今日でも彼は英雄とされ、故郷の湖南省同様、撫順にも記念館や記念碑が建っている。』

雷鋒日記のポスター。

撫順南駅前を13:45に出発、瀋陽北駅前に15:15到着。所要時間、1時間30分。料金は11元(約143円)
ごった返している瀋陽のバスターミナルを少し離れた所で、客を降ろしたばかりのタクシーに乗り込む。ホテルまでは15元(約195円)だった。

ホテルに着いて直ぐにシャワー、撮影してきた写真を整理する。眠くなったので9時半にはベッドに入る。部屋の気温が下がってきているナァ。

瀋陽→撫順西露天砿地図
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